特色ある取組
1 防災教育に力を入れています
東日本大震災では地震とともに津波で甚大な被害が出ました。宮崎県でも日向灘を震源とする地震が起きた場合、大津波が発生し大きな被害がでるといわれています。
歴史的に見ても本校のある木花地区は、江戸時代(1662年)の外所(とんところ)地震で津波による大きな被害が出ている地域です。
古い資料によると、日向国・大隅国(現在の宮崎県・鹿児島県大隅半島)、特に飫肥藩領(現・宮崎市木花地区)を中心に被害が及び、多くの犠牲者や家屋損害が出て、正連寺平野一帯(JR日南線運動公園駅付近)にあった外所の集落をはじめとする七つの村が水没したとされています。
今でも木花地区の島山集落では50年ごとに供養祭が行われており、そのたびに供養碑が建立されています。このような歴史があることから、木花小学校では、防災に関する教育を行い、子どもたちに「自分の命は自分で守る」という意識を高めているところです。
どのような形で進めているの?
(1) 避難経路の確認
4月の新学期になったら早い時期に避難経路の確認をします。1年生も入学してすぐに先生といっしょに避難経路を歩いて確かめます。いつ災害が起こっても自分たちだけでも適切に対応できる能力をつけていきます。
(2) 地震(津波)想定避難訓練
地震(津波)を想定した避難訓練を行います。本校は海抜が低いため、学校の横にある高台(このはなプラザ)の坂道を登って非難する訓練です。
周囲の安全が確認されてから、地域の避難所になっている木花中まで移動する訓練も行います。まず、子供たちの命を守り抜くことを第一に考えて実施されています。
(3) 災害時の児童引渡し訓練
非常災害時の集団下校訓練と合わせて保護者に児童を引渡す訓練も行っています。この訓練は、風水害を想定したものですが、どんな災害のときでも安全に児童を保護者に引渡すために必要な訓練です。
(4) 各学級で
授業や朝の会・帰りの会・校外学習など、あらゆる場面を想定して、防災についてイメージさせるようにしています。
たとえば4年生は実際に、校区内を歩いて防災マップを作り、地震や津波が起きた時にどの方向に避難すればいいのかを話し合ったりする学習をしています。また、5年生は、防災を意識したテーマで宿泊学習に参加しています。この学習で、「自分の命は自分で守る」ことの大切さを意識し、学んだことを下級生や保護者・地域の方に広げていこうと取り組んでいます。
(5) 集団下校で
防災教育で高台や高い建物を知った高学年が、下級生に地域で地震が起こったら、どこへ逃げるかを教えながら下校する機会を作っています。
(6) 校内掲示
「津波てんでんこ(バラバラになって逃げろ)」「たけとこへにぐっど(高いところに逃げるよ!)」などの掲示物を校内の見えるところに貼り、木花地区防災マップ・津波クイズなどとともに日常的に見て考えられるようにしています。
2 木花相撲踊り
木花相撲踊りには、江戸時代の終わりに相撲興行の余興として行われた甚句踊り等の遺風(昔から伝わる風習・習慣)が見受けられ、相撲が芸能と深く結びついて行われていたことを知ることができます。明治・大正期を通じ、昭和の初め頃まで、地方では豊作を神に感謝し、男女こぞって祝相撲を奉納する行事が全国的に行なわれていましたが、その後、これらの踊りが急速に消滅していった中で、木花相撲踊りが延々と踊り継がれていることは貴重です。
シュロの皮で作った髷のカツラに豆絞りの鉢巻きをしめ、浴衣の両袖を抜き、黒衿の青襦袢、腰には紅白のしめ縄をしめ、踊り子のしこ名の頭文字を染め抜いた色彩豊かな化粧まわしをつけた女性ばかり20名程の踊り手が、相撲甚句にあわせて踊るユニークな民俗芸能です。
明治初期、大相撲の一行が宮崎地方に巡業に訪れ、3名の力士が居残って木花地方に住み着きこの踊りを広めたと伝えられています。(宮崎市のホームページより)
現在、木花小では木花相撲踊り保存会のご協力をえて、運動会で踊っています。保存会に入っている児童もいて、伝統を継承するためにがんばっています。